ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第110章 デパートショッピング
「まずっ……。」
一口噛った瞬間に側のゴミ箱に吐き出してしまった
途端に凍り付く私と店員さん
店員さんの笑顔が驚愕に染まる中悠々と此方を向いた彼は
「虫なんて食べ物じゃないね、凄く不味い。」
不愉快そうに眉をしかめながら辺りに聞こえる声量で言うので私は血の気が引いた
「イルミさん、店員さんの前でそんな事言ったらだめです!」
「どうして?」
「どうしてって!」
「こいつ本気でこれが売れると思ったのかな?思ってるなら馬鹿舌だよね。拷問に使えるレベルの食物兵器だよ、大体虫を食べるなんて爬虫類の発想じゃない?」
「………食文化は様々ですよ、イルミさん」
「まぁね、食べる食べないは勝手だけど俺は嫌い。」
「……………」
威風堂々と毒を吐く彼を諌める術は私には無く
呑気に「口直しがしたい。」なんて呟いた彼を前に私は店員さんの顔を見る事が出来なかった