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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第110章 デパートショッピング




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カキン国コーナーでは試食が沢山あった

何でも美食の国らしく見たことも無い料理や食材がズラリと並んでいる

食い意地に自信のある私はきっと表情が明るいに違いなく



「試食しましょう!」


彼の手を引いて進み始めた



ジュージューと鉄板の音が鳴り食欲を煽る肉の音がする

ニコニコ笑顔のお姉さんに近付けば差し出されたつまようじを私は嬉々として受け取った



パクリと頬張れば旨味が凝縮された肉汁が溢れて思わず漏れ出す幸福の溜息

彼はそんな私の様子をじっと眺めた後に僅かに眉を潜めた



「いくらお腹が減ってるからって食べないでよ。」



どうやら彼は試食というシステムを知らないらしい

もしかしたら試食というシステムを知っていても彼程の家に成ると皿にでも盛り付けられて出て来そうだな………なんて思う

私の説明を無言で聞いた彼は瞳をクリクリさせながら肉を頬張り、辺りを見渡した


理解の早い彼はこのコーナーに沢山の試食が点在している事に気が付いたらしい


黒目がちな瞳が好奇心に揺れている


「沙夜子、次はあれを食べよう。」


なんて私のコートの袖を引く彼がキュート過ぎて内心荒ぶりながらも彼に着いて行く


彼は試食して良いと感じた物を片っ端から購入し、カキンコーナーの店員さん達は皆彼に釘付けである




そんな中次に彼が立ち止まった試食はまさかの虫だった


ハニーレモンの幼虫という申し訳程度にファンシーな名前の幼虫がこんがり揚がったゲテモノ


私は若干引きながらも店員さんに捕まらぬ様に彼の背中に隠れた


いくら試食出来ると言われても幼虫なんて食べたく無い…………


しかし味には興味があるので彼がどんな反応を示すのか静かに眺めていると



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