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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第21章 見付けた鍵と夜の街







パン屋さんで聞いた情報は心許なく、もしかしたら本当は反対の隣街だったかもしれない


バーに行ったって彼への手掛かりがあるだけで彼に会う迄に私はまだまだ何かを目指して歩き続け無ければならないかもしれない




「……………大丈夫………」


独り呟く



彼へと続く手掛かりがある


その事だけが私を突き動かしていた






歩き回り声を掛け続け、すっかり陽が暮れて街は夜の色に染まった



ネオン煌めく繁華街の看板を読んではトボトボと足を進める


人に声を掛ける元気が切れてしまった


やはり暗く成ると心の不安も大きく成るらしい


私は一先ず公園のベンチに腰掛けてリュックを下ろした

親方だけが私の話しを聞いてくれる


…………本当にこの広い世界で私は彼に会えるのだろうか……



「大丈夫やんな親方!」



彼だってたまたま私の家を選んだだけであの世界で私を探した訳じゃない



「………バーだってこの街にある訳やし!」



………………彼に会いたい……………



「……………ご飯食べたら探そうな!」



エサを食べる親方を眺めながらポロポロ涙が溢れて頬を伝う


「……………会いたいよ…………」


震えた涙声を噛み殺して瞼をゴシゴシ拭った


会いたければ探すしか無い


まだ彼を探し初めてたかが2日だ


早く彼を見付けなければ其れだけ彼と過ごす時間は短く成る


足を動かせば、進めば必ず………



私は持参していたポテトチップスを公園でむしゃむしゃ食べた


「………よし、行くか」


背負えばずっしり重たいリュックが連日の疲労に堪えたが私は再び夜の街を歩き始めた




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