• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第21章 見付けた鍵と夜の街







人の往来する街を見渡せば昨日居た街より少し小さい印象を受ける

此れならばきっとバーだって直ぐに見付かる筈だ


すっかり滲んだ掌の文字を確認してからリュックサックをぎゅっと握る


「すみません!ジャッカルってバー知りませんか!!!」


私は早速カップルに声を掛けたのだが怪訝な顔をされて避けられてしまった


…………………………私は相当匂うのか……………?



はたまた泥だらけの洋服が汚ならしいからか……………


思い当たる節が有りすぎて見当も付かないが見渡せば人は沢山居るのだ1人や2人に無視されようが構わない


その後5人連続に無視をされて心が折れそうに成ったがカラカラと聞こえる回し車の音に再び歩き出す

炎天下の中何時までも野宿なんて出来ない

野宿を重ねる毎に私を避ける人は多くなる

そうなればバーへの到着は確実に遅くなる


………親方だってきっと健康を損ねてしまう………


……………そう!!!私は私だけの命を背負っているのでは無い!!!



私は先程よりも積極的に道行く人へ声を掛けた

無視されても少し追いかければ「知らない!」くらいの言葉は返って来る様になった


勿論歩きながら自らも店を探す

まだまだ慣れない文字を読むのは時間が掛かるが見える範囲の店名には目を通し

聞き込みを続けながら移動する事を繰り返した


「知らない」「解らない」なんて答えを聞きながらもこの街の何処かに有る筈だと考える事で希望を繋いだ





……………………そうしていなければ挫けてしまいそうだった





/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp