第109章 出来る彼氏のミッション

………………記念日……………なんてものは自身の概念の中に存在しなかった

彼女は今までに何ヵ月記念日だ等と言い出す事も無かった


しかし彼女の日記帳から得た情報は近頃の彼女の行動を表している


なに食わぬ顔でソファーに戻りチラリと様子を伺えば彼女は鼻歌交じりでキッチンに立っていた





………………………何が正解なのか解らない



彼女は自身に外出したいとも記念日だとも何も言わない

何も言わないという事は彼女的に自身は記念日という存在に気付いていなくて当然であるという認識だ


……………そもそも記念日とは一体……………



彼女と出会う迄一人の女と長い期間を共にする事等皆無だった自身には圧倒的に情報が不足していた

"半年記念日"だというのだから交際が始まって半年が過ぎたという事は理解出来る


しかしだから何だと言うのだろう？


これからも永劫彼女は自身のものに変わり無く月日が経過して行くのは自然な事で何も特別では無いではないか