第109章 出来る彼氏のミッション

01月27日




「……覚えててくれたんですか……？」


彼女の瞳がキラキラ輝いて涙が浮かぶ


「……………まぁ………。」



なんて真っ赤な嘘を吐きながらプレゼントを手渡した




__________"





彼女は近頃ソワソワと落ち着きが無かった

普段とは雰囲気の違う化粧や服装

特に何をするでも無いのに部屋着のままで出迎える事が無くなったのだ



(…………………。)



彼女の些細な変化はつい3日程前から突然始まった事で何が彼女をそうさせているのかが解らない

自身は普段通り仕事をこなし夜間は彼女の傍にいた

彼女から外出報告が無いという事は彼女はこの部屋から出ていない筈で

ニコニコと上機嫌で自身に寄り添う彼女の気持ちに何か変化があったとは思えない

………しかし突然身なりを気にする素振りを見せ始めた彼女に違和感や不信感を抱かずにはいられなかった



自身は暗殺者としての教育を受けて育ち、裏社会に身を置いている

時には人を欺き、気付かれぬ様に命を奪う事こそが全て

誰も信用してはならない、信用や信頼なんてものは酷く曖昧で自身の命を失い兼ねないと思い生きてきた


…………つまり元来自身は平凡な人間に比べて信用や信頼なんてものを持ち合わせていないのだ