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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第108章 戯れのヒトコマ







私達はそもそも無意味に触れ合ったりスキンシップを取る事が極端に少ないのだ

彼はそもそも他人とベタベタ触れ合う人では無いし

私は私で彼に触れるのだと意識した途端に緊張してしまい動けなくなる

大体何から何まで美しい彼は私の中では神化しており恋人に成った今でも容易く触れる事等おこがましく感じる始末………



キャーキャーと楽し気にはしゃぐカップルを眺めながら純粋に羨ましいと思ってしまった


彼はそもそも無意味にベタベタされる事についてどんな感情を抱くのだろうか


私はじんわり浮かんだ手汗を拭いながら深呼吸を繰り返す



(……………大丈夫………私とイルミさんは恋人……………)



私は思い切って彼の膝に頭を預けた

途端にふんわり香る彼の香りにバクバクと跳ねる心臓

そっと見上げてみれば彼は只無表情に私を見ていて、何を言うでも無く外された視線は再びスマホに向いた



……………突然の膝枕はセーフ……………


彼は何事も無かった様に平然としているし馬鹿みたいに緊張しているのは私だけの様だ


私はおずおずと手を伸ばして彼の太腿に触れてみた


どこまでのベタベタが許されるのか知りたくなったのだ


ジーンズ越しにも硬い筋肉を撫でてみる

平均男性よりも遥かにしっかりとした脚だ………と思う


と、ズシリと重たく成った横っ腹に彼の手が乗った事に気付き、ごろりと上を向いて今度は手に触れてみる事にした

力の込められていない腕は重く私より幾分か節のある指をなぞる

大きくて頼もしい手の指は長くピアノが上手そうだなぁなんて思う

上品さを端々に見せる彼の所作にこの手は度々優雅に見えた

長い指が悠々と動かされる様は其れだけで美しい




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