ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第107章 暗闇お鍋のヒトコマ
1月のある日
私達は広いスーパーへやって来ていた
「制限時間は30分ですよ!品は5個!この出入口集合ですからね!」
「………はいはい。」
「スタート!!」
私は買い物カゴを腕に下げて意気揚々とスーパーの中を歩み出した
ワクワクと弾む胸
何故私達がこんな事をしているのかと言うと遡る事3時間前
彼は珍しくお休みで私達はホテルの一室で穏やかな時を過ごしていたのだが
私の冴えに冴えた頭が唐突に天才的な遊びを思い付いたのだ
「闇鍋しませんか!」
「………は?」
聞き慣れない言葉に怪訝な表情を浮かべる彼
何故だかはよく解らないがぼんやりしている内にふと頭を過った闇鍋という言葉
私自身実際にした事は無いけれど一度深夜のバラエティー番組で繰り広げられているのを見た事がある
鍋の中に各々買ってきた具材を好きに入れてしまう其れは美味しいご飯を堪能するというよりはゲーム性に富んだものだった
更にお互いに何を鍋に入れたのかは教えずにドキドキしながら具材を口に運ぶ……
これを彼と体験するのは中々に楽しいのではないかと思っての提案である
庶民の私で未経験なのだから由緒正しい家柄の彼なんてもっての他だろうし楽しんで貰えるのではないだろうか
……というか彼が一体どんな反応をするのか見てみたいという好奇心
そして、まったり静かに1日を過ごすのも勿論好きだがそろそろ彼に構ってもらいたくなってきた……と言う甘えも含まれていた
……………純粋に彼と遊びたい………