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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第106章 青と素顔とサイコパス



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カチャリと玄関扉の開く音に瞼を持ち上げれば辺りは暗く成っていた

どうやら私はいつの間にか眠ってしまっていたらしい




「……ただいま。」



「お帰りなさい!」



寝起き故に普段より低い声に成ってしまったが彼の帰宅は喜ばしいに変わり無く自分でも驚く勢いでソファーから起き上がる


大好きな彼の帰宅とあらば駆け付ける私は最早飼い犬だなぁ……なんて思考が頭にちらついたが
それだけ嬉しいのだから仕方がない………なんて思いは彼の纏う雰囲気を前に消えてしまった



彼は無表情な顔に似合わない不機嫌な圧を無言で放っていたのだ

私の足取りは徐々に速度を落として遂に立ち止まる



……………やはり遊園地はまずかっただろうか……………



背中に伝う汗は彼の不機嫌を前に浮かんだ焦りだ



約束は守っているし何か不機嫌に成る要素が他にあるだろうかとぐるぐる思考が巡る中


チラリと盗み見た彼の目線から原因を突き止める事が出来た


彼の黒く染まった瞳がテディベアを視線に捉えている事に気が付いたのだ


…………プレゼントがまずかったのか…………


元々は私が狙っていた景品だしプレゼント……という感じでは無いにしろ現金を持っていない私が購入出来る筈が無いと彼は重々知っている



ゴクリと唾を飲み込んで言葉を紡ごうと唇を開いたその時





ビキビキと鈍い音が響いて視線を向けた先


彼の手が鋭く変形して行く所だった



(………………怖………………)





ゾッと鳥肌が立ったのは常人には成し得ない其の異様な形状が恐ろしく不気味だったからだ



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