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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第106章 青と素顔とサイコパス






「ヒソカさん!遊園地楽しいですか?」


「うん、とっても♥️」


「私も楽しいです!」



良かった、と純粋に思う
彼とは違うけれどきっと特殊な環境で育ったのだろうヒソカさん

明るい場所よりも暗闇に身を置く事の方が多い人生を歩んで来たのではないだろうか

心の内を語らず過去を見せないが故に何も解らないけれど

そんなヒソカさんが単純に今を楽しんでいるのだと思えば私迄嬉しく成った



「沙夜子ちゃんと一緒ならきっと何処でも楽しいだろうね♥️」



いつも見せる妖艶な色を感じない柔らかい笑みに私は視線を奪われた

ヒソカさんには似合わないと思っていた晴れ渡る真っ青な冬空に淡く浮かべられた笑み

派手な髪色と空のコントラストが眩しくて、そのあまりにも儚い姿に胸がぎゅっと切なく成ったのだ

常に張り付けられた笑みとは違う素顔を垣間見た気がして私は只頷いた


どうやら思っていたよりもヒソカさんの心は開いていて、こんな頼りない私に素を見せてくれているのだと感じた



「これからも色んな所行きましょう!」



心から出た友達への言葉にヒソカさんは儚く微笑むとそれっきり普段の笑顔を浮かべて面白おかしな話を聞かせてくれて、私はずっと笑っていた







「次は何乗りましょう!」


背中を向けたヒソカさんに明るい声を掛ければ


くるりと振り返ったヒソカさんはニッコリ笑い


「ゲームでもしてみない?♥️」


観覧車から程近いテントを指差した



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