ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第106章 青と素顔とサイコパス
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私達は無事に迷路を抜けた
私を見事にあやして見せたヒソカさんに元気付けられてパニックを乗り切った私はゴール地点で意気揚々とお菓子を受け取った
恐怖を乗り越えた達成感………得意気に受け取った私だがヒソカさんに笑われてしまい情けない笑顔を向ける
良い歳をした成人女性が泣きながら絶叫していたのだから相当お見苦しい姿を見せてしまった………
「いやぁ……永遠に出れないかと思いましたよ………」
「大袈裟だなぁ♥️」
「ヒソカさん途中でおらんなるし私ほんまに怖かったんですからね!!」
全く威張れない台詞を勢いに任せて口にすればヒソカさんは「ごめんよ、沙夜子♥️」と余裕たっぷりに謝罪してくれた
何でもヒソカさんは迷路攻略の為に先行隊として一時離れただけで確かなルートを確保して私を迎えに来てくれたそうだ
確かにヒソカさんの合流した後、全てが嘘だった様にスムーズに出口にたどり着いたので結果的に感謝しか無いのだが………もう迷路はこりごりである………。
次いで私達は観覧車の列に並んでいた
観覧車と言っても日本で見知った形の物とは異なりベンチの様な長椅子が固定されていて個室には成っていない形の物だ
レトロな色合いと小ぶりな造りからカントリーな海外の遊園地を思わせる可愛さに惹かれて私が希望した
観覧車なら絶叫系を苦手だと言ったヒソカさんでも楽しめるだろうと思ったのも理由のひとつだった
「ヒソカさんがジェットコースター苦手なんは意外でした」
「レールを走るだけなんて退屈じゃない♦️」
「じゃあ観覧車はもっと退屈ですよ?」
「これだと景色を眺められるでしょ♥️」
「そっか」
隣合って座り、簡易的なレバーが下ろされてゆっくりと景色が上昇して行く
冷たい風を肌に感じる其れは観覧車と言うよりもリフトに近い様に思う
段々と高くなる視線で辺りを見渡せば移動式とは思えない広大な芝生の土地にカラフルで楽し気なアトラクションがちりばめられていて、沢山の人々が皆楽しそうに笑っていた