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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第105章 奇術師とのお出掛け





私は迷路中に響くけたたましい叫び声を上げて尻餅を付いた


暗闇に浮かぶ不気味なピエロの姿はホラーでしか無く


恐怖にうち震える身体


膝がガクガク笑っているが悠々と歩み寄るピエロを前に私は脱兎のごとき脚力を発揮した




………大体私の知り合いにピエロ等居なかった。



カラフルな立ち姿を勝手にヒソカさんと勘違いしたのは極限の緊張と緩和からだ

………迷路にピエロを配置するなんて悪趣味にも程がある…………ッ




「うぁぁあ"っ…………ヒソカざん……どこぉ…………!」




私は自分が何処を走っているのかも解らずに無我夢中で走った


形振り構わず泣き散らしながら間抜けにも靴紐を踏んで勢い良く身体が地面に傾く


………あぁ………私は何処にいたってそうなのだ………


間抜けに恥を重ねる阿保なのだ…………


世界がスローモーションに見えて自分の無様さにうちひしがれていたその時




「迷子かい、お嬢さん♥️」



後ろから強い力に引き寄せられて見上げた先、妖しく光る黄金色の瞳が私を捉え耳元には妖艶な声が響いた



「……っ……ヒゾカさん……何処にいてたんですかぁ」



途端に身体中を安堵が包み、絞り出した言葉はヒソカさんにもしっかりと届いていて


「ほら、泣かないでボクは此所にいるよ♥️」


背後からぎゅっと私を抱き締めたヒソカさんは優しい声色を落とした


いつか私の世界で私を組み敷いた男から香った男性的な香りは以前と何ら変わらないのに

あの日とは違う安心感を私に与えた






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