ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第105章 奇術師とのお出掛け
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その後他愛無い会話は続き私達は鏡の迷路という場所に来ていた
ヒソカさんの希望という事もありすんなりやって来てしまった私だが
暗く落とされた照明、全面鏡張りの空間は何処か不気味な空間で私は少し後悔した
隣にいるのが彼ならば抱き付く事も出来るけれど相手がヒソカさんとなるとそんな事は出来無い
「………怖いの?♥️」
「い、いえ!」
顔は間違い無く引き吊っているだろうが精一杯の虚勢を張って言い聞かせる
(お化け屋敷じゃないし……ゴールしたらお菓子が貰える……子供向けのゲームや……!!)
そう考えて見ればハードルは下がる
雰囲気が少し不気味なだけで理不尽に脅かされる事は無いのだ
「よしっ!!」
「?♦️」
気持ちを持ち直した私は俄然強気に成った
私達は迷路を楽しく攻略し、出口でなに食わぬ顔でお菓子を受け取るのだ………
幾つも角を曲がり迷路を進んで行く
正面に映るのは私とヒソカさんの姿
薄暗い鏡越しに目が合って
「行き止まりですね……」
なんて台詞を漏らすのは何度目だろうか
「ん~残念♦️」
ヒソカさんは普段と変わらない含みのある声を落としたが
私達が迷路に入ってもう数十分が経とうとしている
振り返ってみても同じ鏡張りばかりで既に元来た道も解らず先程とは違う恐怖心がふつふつと湧いていた
所々謎のオブジェがあったりしてそれだけが目印なのだがそれすらも見当たらず
現在地が解らない、出口に近付いているかさえ解らない
永遠に出られないのでは…………?なんて子供でもあるまいし有り得ないとは解っていても心細く成る
そんな時だった
「………え………あれ………?」
ヒソカさんの姿が忽然と消えていたのだ