• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第103章 飼い主のヒトコマ







普段よりも随分と回転しない頭でようやく親方の生存を確信した途端に私の涙はピタリと止まった


しかし危険な状態に陥っているという言葉に再び最悪の事態が頭を過る


…………早く親方の身体を暖めなければ……………




「ド、ドライヤー!!」



私は叫びながら洗面所に走っていた

親方の為に何か…………


なんて必死の形相でドライヤーを掴んで来た私に彼は単調な声を発した



「落ち着きなよ、急激に温めてしまうと体に負担が大きくなるから逆効果。3時間くらいかけて手の平で温めるのが効率的だ。」


「そ、そっか………」



途端に手離したドライヤーが足の小指に直撃して鈍い激痛が走り野太いうめき声が漏れたが


「はい。」


なんて言いながら親方を手渡されて転がり回りそうだったのを必死で耐えた



親方は生きていた………生きてくれていた


私が出来る限りの全てをしよう



「この部屋は確かに静かだけどリビングに場所を移した方が良いかもね。」


両手で親方の身体を包みながら息を緩く吹き彼の言葉に頷く


確かに、温かな部屋に場所を移すべきだ


寒い時に手を温める要領で懸命にはーはーしていると







「臭いで死ぬんじゃないの?」




彼から場違いで辛辣な指摘をされ真顔に成る





………………私は親方を追い込む程強烈な吐息の持ち主なのだろうか……?


だとしたらその事実に気付かず今まで過ごしてきた全てがヤバい。

親方の息の根を止めるのが私の息だなんて毒ガス攻撃と変わり無いではないか…………





「…………私ってそんなに息臭いですか…………?」



/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp