• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第103章 飼い主のヒトコマ






彼にも親方との思い出が存在する


アパートに居た頃親方のご飯担当は彼だった

意地悪をする彼と親方が仲良くなれるように私が提案した事


そして再会したその日から彼が休みの日には自然と彼が親方のご飯をあげてくれていて

再会を果たした時、親方も彼を忘れていない素振りを見せていた


流れる涙は止めどない


私の手から親方を掬い上げた彼は親方の身体を指先で一撫でした



…………いつの間にか彼とも仲良く成っていたのに……………なんて涙が零れ落ちる最中









「冬眠じゃん。」




「…………え………」



彼は間の抜けた呟きを落とした





…………………………冬眠………………



…………………………冬眠………………?







現状把握が追い付かずポカンと呆けたままの私に彼は饒舌に説明を始めた



「ハムスターは室温が10℃を下回ると疑似冬眠をすることがある。疑似冬眠という名前はついているけど、簡単に言えば低体温症だよ…………飼い主なのに知らなかったの?」



「……………………え、じゃあ生きてるんですか…………?」



「今の親方は厳しい環境に耐えるために体の機能を最小限に制限してエネルギーの消費を抑えてる状態だ。…………つまり生きてるけど危険な状態だね。身体を暖めないと」



彼の言葉にぼんやりしたまま見詰め合った時間を途方も無く感じた



/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp