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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第103章 飼い主のヒトコマ




01月06日


21:37



彼の素敵なサプライズで幕を開けた今年、きっと素晴らしい一年に成るのだと信じて疑わなかった私に


最悪の形で悲劇が訪れた





「…………親方…………」




親方の異変に気付いたのは先程の事

つい数時間前迄は元気な姿を見せていて体調が悪そうには全く見えなかった



私が親方に話し掛けるのは孤独を紛らわせる日々の中でアパートの頃から日課に成っていて

今日も三時間程内容の無い話をした


親方は素知らぬ顔で回し車で遊んだ後にスヤスヤ眠っていたけれどその愛らしい姿に私は心底癒されていた




其れがお風呂から出てみれば身体を丸くしたまま動かないのだ

最初は眠っているのだと思っていたが其れにしては妙な違和感があり

じっとケージを覗いてある事に気が付いた




…………呼吸をしていない……………





ドキリと嫌に脈を上げる心臓


私は震える手で親方に触れて小さな身体の冷たさに悲鳴が漏れた



頭が真っ白になる






私と親方は只のペットと飼い主では無く家族や友達に近い感覚があった


古ぼけたアパートで毎日私を待っていてくれた親方に私は何度癒され、何度救われただろう

彼が消えたあの日から誰よりも私に寄り添い、勇気付けてくれたのは親方だ

涙にくれる私の手に小さな手を伸ばした親方の姿に私は笑顔を貰った

この子の為にしっかりしなければと自分を律した事も数え切れない

私の無謀に付き合わされて異世界へやって来た親方は其れからも私を元気付け続けてくれた

彼を探すと決めていたのに弱音ばかり漏らした私の言葉を親方だけが聞いていて

親方がいなければ私はあの時強がって歩き続ける事なんて出来なかった

私が起床した気配に歓喜する様に走り寄る親方の姿に孤独な時間は薄れて癒されていた




顔を見れば寄って来る愛くるしい親方の姿に私はずっと…………



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