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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第102章 眩い朝日






私の準備が整っていなくとも誰かしらと戦闘に成る事には変わり無いかもしれないが

戦闘を避けてこの場を離れると言われた場合、私の痕跡を残して行くのは危険だ

従って私の発した"用意"とは身支度では無く痕跡を残さぬ様に荷物を纏めて親方の安全を確保する事だったのだが




「ごめん、やり過ぎた。」




彼は私の背中に間の抜けた謝罪を投げ掛けた


……………………………?


私は状況理解が追い付かずに振り返る

何故謝罪されたのか……そもそも私は今の現状すら巧く理解出来ていない………一体何が起こっているのだろう…………


ゴクリと唾を飲み込んで私は咄嗟ながら何事にも驚かない事を誓い、毅然とした態度を取る事にした


危険な仕事を生業とする彼に着いて行くのだから簡単に取り乱してはならない………





彼の説明を待ち静かに静止した私に彼はガシガシと頭を掻くと



「沙夜子が起きないからほんの少し念を当ててみたんだよね。……ほんの少しだよ?」


「?!」



彼は実に淡々とした声色で思っても見なかった経緯を白状し始めた



「だけど一般人を傷付けず加減してなんて経験があまり無いから分量を失敗したかもしれない。」


「………………」


「鼻血や吐血も見られないから問題は無いだろうけど、ただほんの少し気分が優れないかもしれないね。」


私は彼の言葉を聞き終える頃には嘔吐感に見舞われていた

"ほんの少し"という言葉をやたら強調した彼


寝起きから張りつめていた緊張が一気に解けた事も背中を押して全てを理解した今、私の体調は急変し絶不調だった


私は彼に僅かな微笑みだけを残してトイレへ駆け込んだ




新しい1年の始まり



元旦の朝、私は激しい嘔吐感に苦しみながら初夢諸とも全てを水に流した




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