ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第102章 眩い朝日
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1月1日
05:00
「ほら、起きて。」
「………んー………」
ぼんやり浮上しては身体が鈍く深い睡魔に飲み込まれて行く中で彼の気配だけを感じる
「……沙夜子。」
「………………」
「置いて行くよ。」
「…………………んー」
大好きな声が響いては心地好い微睡みに漂っていると
「起きろ。」
「!!………………?!」
突然ゾワリと身体を震わせる何かに一瞬にして目が冴え、ベッドから飛び起きた
訳が解らず見開いた目で辺りを見渡せば私のベッドの縁に座った彼が半身振り返った状態で此方を見ていて
バクバクと変に騒がしい心臓をそのままに彼を見詰める
何度か感じた事のある得体の知れない恐怖感は間違い無く彼が発するものだったのだが
等の本人は普段と寸分変わらない淡白な表情で言葉を落とした
「おはよう。」
「お、おはようございます」
其の表情や雰囲気から怒り等の感情は見受けられないが彼が威圧するに値する何かが起きたのだろうか…………?
ポタリと額から落ちた滴が手の甲で弾けて初めて自身が今冷や汗をかいているのだと知る
もしも仮に彼が威圧しなければならない何かが起きているのならぼんやりしている場合じゃないのでは無いだろうか………
「す、直ぐに用意します!」
私は寝起きで鈍い脳を回転させながらベッドを飛び出した