ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第102章 眩い朝日
……………あぁ、これは夢だったパターンだ……………
(自称)無邪気に眠る私の寝顔に『可愛いやつめ』的な気持ちが芽生え、意識とは裏腹にキッスしてしまった的な少女漫画あるある展開
更には寝ぼけ眼の私の姿に(自称)癒しを感じて『可愛いねマイハニー』的な感じで抱き締めてしまう………的な事を期待した私はホッとした様ながっかりした様な複雑な気分に成った
………………そんな事はある訳無いのだ
真実にたどり着いた私は先程迄のドキドキとソワソワが消え去り落ち着きを取り戻した……のだが
「馬鹿みたいな百面相だね。」
彼から寄越された悪戯な視線に心臓は再びドキドキと高鳴り始めた
頬杖を付いて私の顔をわざとらしく覗き込んだ彼は大きな瞳を細めて意地悪に唇を歪めていたのだ
「変な夢でも見た?」
一際細められた双眼は私の目を真っ直ぐに射抜き、悪戯な声色が耳に流れて私は途端に頭が沸騰しそうに熱く成った
彼の表情や声色からあのキスは夢では無く全てが確信的なのだと教えられる
彼は私が狼狽える様子を余裕綽々で楽しんでいたのだ
だけど私にそんな彼を翻弄する余裕は一切の隙無く
「い………いえ………素敵な夢を……」
喉から絞り出してやっと紡いだ言葉に彼は満足気に妖しい笑みを残しただけだった