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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第102章 眩い朝日







私達が宿泊するバンガローは気球を予約した客が宿泊する施設で彼が選ぶとは思えないとても小ぢんまりとした建物だった

リビングは私のアパート程の広さでキッチン、トイレ、簡易的なユニットバス、梯子を登ったロフト部分にベッドが備え付けられている

家具家電も必要最低限と言ったシンプルな内装ながら窓から望む景色は自然豊かな森
季節が良ければ深緑が美しい色を見せている事だろう


従って辺りに何かがある訳では無く、随分と静かな場所だ


時刻は夕方に差し掛かり彼はお決まりのニュース番組を見ている

小さなソファーに窮屈そうに脚を組んだ彼の可愛らしさに緩む頬を隠しながらも隣に座り横顔を見詰めた


私はなんて幸せ者なんだろう


彼と過ごす中で私は幾度もそう思っている


彼がそう思わせてくれる


相も変わらず天気予報に抑揚無く笑う彼

未だ何が面白いのかは微塵もわからないけれど落ち着く雰囲気に瞼が段々と落ちて行く





途切れ途切れ短い夢の中に見るのは彼の事ばかり



「沙夜子はよく寝るよね。」



なんて私の頬を指先で撫でた彼は触れるだけの優しいキスをした




「っ…………!!!!!」




勢い良く顔を上げると彼は眠る前と変わらずニュース番組を見ていた

ドキドキと耳にも煩い鼓動



先程のキッスは…………夢………?!



温かく柔らかな感覚が妙に唇に残り現実的な様でいて曖昧な記憶


じっと彼を見詰めていると不意に視線が交わりドキリと心拍数が跳ね上がる


無機質で無感動な表情の彼が何を考えているか全く解らない

そもそも願望が見せた夢だった場合、内容が露見するのは恥ずかし過ぎる為に確かめる術は何も無い

しかし今の私はあからさまに挙動不審で

只目が合った其だけで狼狽える私に彼は眉を潜めた



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