ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第101章 シスターの木
まさか実際の事件が元だなんて思っても見なかった
未だ枯れずに光り続けるシスターの木が現物として存在する事
そして昔本当に悲劇的な事件があったのだと知った今益々ツリーへの関心は高まっていた
何故光り続け、枯れもしないのか
その謎の全てが本当に童話の通りだとしたならば…………
照明でライトアップされた美術館には世界一大きなツリーを目的に沢山の人が集まっていた
静かなフロアは重厚で展示された美術品は歴史ある絵画や彫刻品まで様々だ
彼と並び歩き見て回りながら思った事をそのまま口にした
「じゃあ………今から見る木はほんまにシスターが木になった物なんですか…………?」
「さぁね、それは知らない。………だけど」
一度言葉を切った彼は絵画に視線を向けたまま声を紡いだ
「ひとつ噂があってね、一部の連中はその木を早急に燃やすべきだと言う奴もいる。」
「…………なんでですか………?」
ゆっくりと歩みを進める彼の手をぎゅっと握り締めて言葉を待てば
「霊が見えるなんて言う胡散臭い奴等だけど、シスターの木は間違いなく本物だって言うんだよ。」
「………え……」
「帰って来た子供を抱き締めたシスターが決して離すまいとして大勢の魂が複雑に絡まりシスターから抜け出せなく成っている………子供はあの世に行けず涙を流し続けていて、だからシスターの木は未だ発光している……ってね。」
「……………」