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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第101章 シスターの木






彼の語ったクリスマス童話は私の知るものと全く違っていた



子供達はシスターの元へ帰って来たけれど肉体は無かったなんて………

しかし純粋に再会を喜ぶシスターと子供達を思うと胸がぎゅっと切なくて私は玄関先に飾られたツリーをぼんやり眺めた




「つまりツリーを軒先に飾るのは死者の魂が無事に帰り着く様に……この世界でクリスマスは日本のお盆と似た日なんだよ。」


「………そっか」




死者の魂が家に帰って来る様に願いを込めたツリー

だから街の雰囲気も人々の賑やかさも私の世界とは違うのかと附に落ちた


クリスマスとはおめでたい日では無く死者や先祖を重んじる厳かで大切な日なのだ



「ツリーが光ってるのは魂が………?」


「いや、あれはフェアリーパウダーって粉を木に振って水を掛けて発光させる演出だよ。発光は三日で消えて木は一週間程で枯れる。」


たった一週間の木の命も儚い光もあっという間にこの世から消えてしまうと思えばやはり切なかった


「………世界一大きなツリー……どれくらい大きいんでしょう」


私の声にゆっくりと此方を向いた彼

視線が交わり街の雑踏を何処か遠くに感じる最中彼は静かに唇を開いた


「世界一大きなツリー………今街中にあるツリーのモデルでね、名をシスターの木なんて呼ぶんだよ。」


「シスターの木………?」


「童話のモデルに成った木だよ。あの木の種類は通常大きく成らず短期間で枯れる、だけどシスターの木は同じ種類にもかかわらず未だ何百年も枯れずに発光の理由も解明されていない。」


「え、凄い!謎の木ですね!」


「……童話自体、実際の事件を元に語り継がれた物だしね。」


「…………え…………」




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