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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第101章 シスターの木




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むかしむかし街外れに孤児院がありました


その孤児院には心優しいシスターと沢山の子供達が住んでいました


決して裕福とは言えない貧しい生活


冬になると冷たい冷たいすきま風が部屋中を冷やしました


だけど大丈夫


子供達とシスターは身を寄せて



「これでさむくないね」


シスターと子供達は幸せに暮らしていました


しかしある年のクリスマス




「さぁみんなおじさんといっしょにゆこうすてきなプレゼントがあるよ」



真っ赤な服のおじさんがやって来て言いました



「あたたかいおへやもごちそうもおもちゃだってたくさんあるよ」


「わーい!」「ごちそう!」「あたたかいおへや!」「おもちゃ!」


「こどもたち、ついていってはダメよ!」


大喜びの子供達にシスターは言いました

だけど


「ぼくたちがほしかったものぜーんぶおじさんがプレゼントしてくれるんだ!」
「さむいおうちにいたくない!」
「おなかがすいた!」
「おもちゃであそびたい!」


子供達はシスターの声を聞かずに飛び出してしまいました


「こどもたちかえっておいで!」




その年から毎年クリスマスの日に赤い服のおじさんは沢山のお家から沢山の子供達を連れて行きました




しかしおじさんの言う幸せのお家が何処にあるのか誰も知りません


本当は幸せのお家なんて最初からなかったのです


「かえりたいよ」
「おなかがすいたよ」
「さむいよ」
「シスターにあいたいよ」

「ねぇサンタクロースのおじさん、ぼくたちをおうちにかえして」


子供達のお願いは叶いませんでした



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