ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第101章 シスターの木
12月25日
記憶を遡れば消え去りたい事間違いなしなインパクト大の思い出を誕生日に残した私
世間はあっという間にクリスマスに成った
街並みはすっかり光に包まれて夜の繁華街は楽しそうに輝いている
素敵なレストランでディナーをした私達は肌寒い空気を纏って街を歩いていた
「綺麗………」
「……………。」
彼は相変わらず多忙で私の誕生日以来戻ったのは本日の15時で5日ぶりの帰宅に私は心底喜んだ
特別な事は出来ないけれど、との事だったがたまにはホテルの外で外食でもと連れ出してくれただけで
一緒に過ごす事も出来ないのだと落ち込んでいた私にとっては特別で
ホテルからレストランへ向かう際に告げた私の我が儘に彼は快い返事をくれた
「どんなにおっきいんでしょう!!楽しみです!」
私の我が儘というのは"美術館に行きたい"というものだった
彼が留守の間テレビを見ていた私の目に一つのCMが留まった
世界一大きなツリーがこの街の美術館にやって来て特別夜間開催している、というイベントで
私の目に映ったのは私の知るツリーとは違っていた
クリスマスツリーと言えばてっぺんに星、そして色とりどりの可愛いオーナメントを飾り付け小さな電球でピカピカと輝くイメージだ
しかしこの世界のツリーは不思議な事に飾り付け等一切無く
電球も特殊な物なのかコードも見えないのにまるで自然発光している様に粉粒程の小さな光が淡く光っていて木の形状も異なっている
日本で見るモミの木とは違いしっかり枝のある大木だったのだ
異文化は私にカルチャーショックを与えて好奇心を刺激した