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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第100章 私の誕生日




___________"


17:48





「沙夜子は変わってるよね。」


「………イルミさん程では」


「は?」


「…………取り敢えず乾杯しましょう!!」


「………うん。」



私達は公園のベンチに座っていた


私の答えは「昔みたいに外でコンビニご飯したいです!」だった


豪華な料理

美しいホテル


彼はこの世界で私に最高の環境を整えてくれている

私は何不自由無く彼に甘やかされていて、本当に有難いし感謝の気持ちで一杯だ

私は彼のお陰で贅沢な生活を送っているのだ




だけど………だからこそ少しあの日々を懐かしく思った


味気無いお弁当と缶のお酒

何の変哲も無い公園


だけど彼が隣にいてくれたならどんな高級レストランで食事するよりも楽しく幸せな時間に成る


「乾杯です!!」


「乾杯。」


ウイスキーの瓶を傾ける彼の姿を久々に感じて瞳を細める

彼が瓶のままアルコールに口を付けるなんて本来は無い事なのだと気付いたのはこの世界で再会してからの事だった



「ほんまにイルミさんは強いですね!」


「普通だよ。……それより本当に良かったの?こんなので」


「これが良かったんです!」



私達は他愛ない会話を続けた

普段しない様な下らない内容ばかり話は尽きず



既に暗い空は夜の星を輝かせ


寒い寒い冬の公園で白い跡は空中に浮かんでは消えて行く


「沙夜子が飛んだ時は流石にびっくりした。」


「………もうほんまにやめてください………」


「………久々だねこういうの。」


「楽しいですね!」


「………まぁね。………誕生日おめでとう。」


「ありがとうございます!!」



私達を包む世界は穏やかな時を刻み



異世界の公園は生えている草木も何もかも私の世界と違うのに

照らす街灯の下で淡く照らされる彼の横顔に作業着姿だった彼の姿を見た気がした






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