ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第100章 私の誕生日
乗馬体験なんて素敵な体験の最中の筈なのに空気感はお通夜ばりに重たく無言が苦しい
刺さりまくる彼からの視線
無理矢理な作り笑いが苦しい係員さん
私は二人に挟まれてプレッシャーに押し潰されてしまいそうだった
何よりトイレから出た後に普段を装った私だが多大成る精神的ダメージから私は全く立ち直っていないのだ
小学生ならう○こ女なんて下品なあだ名が付けられる事は間違いない衝撃的な出来事………
ドラ○エで言えば私は今棺桶状態で
今すぐに爆散してこの世から消えたいとすら思っているのに…………
(……………でも………せっかくイルミさんが…………)
手綱をぎゅっと握りしめながら息を吐く
デート中に頬に潰れた糞を付ける彼女なんて魅力のゲージがマイナスに働く他無い
少しでも元気を取り戻した振りをして楽しんでいるのだとアピールする方が懸命だろうか………
…………何より大好きな彼の期待に応える為に…………
私は笑顔で彼に大きく手を振り叫んだ
「楽しいでーす!!!!」
決死の覚悟だった
う○この衝撃を上塗りする事は出来ないが彼の中でサプライズは成功し、楽しい思い出だったと思ってもらえる事を切に願ったのだ
彼は何やらスマホを此方に向けて写真を撮っているらしい様子を見せた後、監視する事をやめてベンチに座った
全然写真なんて撮って欲しく無かった
寧ろ私を見ないでほしいしデータに残さないで欲しかった
自分が情けなくて惨めで恥ずかしくて嫌になり顔を逸らした先
驚愕の表情を隠し切れていない係員さんと目が合った
慌てて笑顔を作る係員さんが何を思ったのかなんて下手過ぎる表情の作り方から察してしまう
「良かったです」
なんて上吊った声に
「あ、はい、ありがとうございます……………」
普段より低い声が漏れた私の胃は激しい心労からキリキリと悲鳴を上げていた
(……………誰か胃薬をください………)