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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第99章 ツンデレ彼のサプライズ





「ほんまや!!可愛いです!!」


私達を待っていたのはクリーム色の長い毛がフワフワの大きな猫科の動物

彼の言葉通り愛らしい姿に魅了される

まるでラグドールみたいな見た目なのにその体長は3m程あり、砂にゴロゴロと転がる姿に自然と頬が緩む中彼は突然流暢に説明を始めた


「リベアルスナネコ、地中に潜って獲物を待ち狩りをする。比較的人にも慣れるから自然保護区では触れ合える個体も存在するらしいよ。」

「へぇー!!触りたいっ……!!……そう言えばイルミさんって動物好きじゃないのに詳しいですよね!」

「………………。」

「………?」


私の弾んだ声に何故か唇を瞑った彼を不思議に思っていると


チラリと交わった視線が逸らされ


「……沙夜子が動物好きだから。」


「……え……?」

思いがけない言葉が耳に飛び込み目を見開く


「共通の趣味とか無いし………せめて話せるくらいにはと思って。」


「っ……………」


私は彼の事をどんな分野にも知識豊富な博識な人だと思っていた

だけどどうやら動物というジャンルに関しては仕事に関係無くわざわざ私と会話する為だけに蓄えた知識………

そんな風には微塵も思わせない素振りの裏で私の事を思ってくれていたのだと知る


「勿論危険な能力を持つ動物は仕事上、知識として…………何その顔。」


思ってもみなかった一番のサプライズは隠されていた彼の気持ちで

私は全身を包む幸福感と喜びで泣きそうに成ったのだが

そんな私を見据えた彼は露骨に眉をしかめると踵を返してそそくさと歩き出してしまった


「ちょっと、待ってください!!」


そんな彼の凛とした背中を追い掛けながらもニヤニヤと口元が緩む

突然落ち着きを無くした彼は恐らく照れていて

口を滑らせてしまった事でいたたまれなくなったのだろうか?なんて考えていると


肩越しに振り返った彼は目線を逸らしたまま手を差し伸べるので愛しさが胸に溢れて思い切り抱き付いてしまった



「ちょ………」


少し戸惑った様に、しかし単調に降ってきた声

広い背中に頬を寄せて心底大好きだと思う


「イルミさんはツンデレですねぇ~もうっ!!」


「は?うるさいんだけど。」


ぎゅっと抱き付いたまま馬鹿みたいに笑い声を上げる私にされるがまま彼は暫くそのままでいてくれた



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