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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第99章 ツンデレ彼のサプライズ






キツネグマ……ゴンの友達として漫画に登場した動物なのでずっと昔から存在を知っていて

実際に実物を見れるだなんて夢にも思っていなかった私にとって何だか感慨深いものだった


ふわふわの毛並み、熊の様に大きな身体とキツネの様に凛々しい顔立ち

私の世界には存在しない動物に感動しながらもじっと見詰めていると


「知ってるの?」


彼は私の背中に声を掛けた


「はい!漫画に出てました!」


「ふーん。」


「あ!一緒に写真撮ってください!!」


振り返ると彼はすんなり私へスマホカメラを向けて画像に残した後に


「家族に見せるの?」



何処かぼんやりとした声を漏らした


「はい、見せます」


「そう。」


私達にそれ以上の会話は無かったけれど彼は私の手をぎゅっと握り

何を考えているのか解らない横顔を見上げて私は何故だか切なくなった



__________"



その後私達はそのゾーンを見て回り元の世界よりも三回りも大きなゾウや羽を持ったジャガー等似ている様で全く異なる生態の動物達に私はいたく感心しじっくりと愛で

次のゾーンへと向かった



「うぉぉ……………あっつ…………」




私達がやって来たのは砂漠ゾーン



やはり広大な室内は環境を模していて漠然と砂ばかりが広がる光景は異様なものだった


あまりの暑さにコートを脱ぎながら天井を仰ぎ見ると大量の照明が眩しい程に光っていた


「本格的ですね………」


「大きな動物園はどこもこんなものらしいよ。」


「らしい?」


「初めて来たから良く知らない。」


「………そっか……じゃあ私の世界で行った動物園が初めてですか?」


「うん。」




私がこの場所に来るのは初めてで当たり前なのだが彼も初めてだという事に私は静かに驚いていた


平凡な家庭とは程遠い家庭環境に育った彼……もしかしたなら今私と同じ様に動物園を見て驚いているのかもしれないと思った


そっと見上げれば彼は真っ直ぐに前を見ていて


「ほら、沙夜子の好きそうなのがいる。」


言いながら淡く微笑みを向けた


途端にドキリと高鳴る胸、それと同時に切なくて私は出来るだけの笑顔を浮かべた




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