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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第98章 サービスの正体







突然視界を照らす眩い炎に小さな歓声を上げる


高く立ち込めた炎はホテルマンの手の動きに合わせて渦を巻いたり様々な形に変化して

まるで生き物か、はたまたホテルマンの器用な指先に操られている様に見えてパフォーマンスの名に劣らぬ見事なものだった


夢中に成って拍手を送る内に焼き上がったステーキが切り分けられて

消えた炎の後には煙だけが立ち上ぼりハートの形にふわりと変化して淡く消えた



…………まさにパフォーマンス……!!





私は先程迄の寂しさをすっかり忘れて拍手喝采である



「お待たせ致しました」


「ありがとうございます!凄いですね!!」



手際良く盛り付けられたステーキは目にも美しく添えられたソースも可愛いハート形に成っていて女性に嬉しい細やかなサービスに笑みが漏れる


私の声にニッコリと口角の上がった口元は


「其れではまた」


色のある声で言葉を紡ぐと深々と頭を下げて背中を向けた




何とも言えない雰囲気を醸し出す人だ


………この人は昨日プールで会った人に間違い無いだろう



「ありがとうございました!!」



声を張り上げお礼を伝えれば振り返った男性はテーブルを指差した


その先を追って視線を向けた先、シックな赤色のリボンが掛かったワイン瓶と上品なグラス



先程迄こんな物テーブルの上に無かった筈だ………驚いて再び男性を見れば


「サービスです。肉料理にとびきり合うお酒です、御賞味ください」



男性は部屋から出て行った


アルコール好きの私としてはかなり嬉しいサービスだ

正直メイン料理を間違えただけでこんなに手厚くフォローされて良いものかと思うが

嬉しい気持ちに勝るものは無く、素直に受け取る事にした




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