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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第98章 サービスの正体






12月のある日



私は暇を持て余していた

彼はスキーデートに行ったきり相変わらず多忙で休み無く、丸1日一緒に過ごす時間は皆無である


彼は三日間部屋を空けては一時帰宅して数時間過ごすとまた部屋を空ける事を繰り返し

私のスマホには一日一通彼からの生存確認と私の行動報告への短い文面が届くだけで声を聞く事すら出来ていない


私は宛がわれた漫画や小説を読んでテレビを見るだけのニート生活を謳歌していた訳だが




「……………よし、プール行こう……」



今回の拠点には1ヶ月程の宿泊予定だと彼は話した

最初の頃は室内から出る事を頑なに禁止していた彼だが

私は余りにも構って貰えない不満を口にしてしまったのだ


仕事なのだし忙しい事も知っていて贅沢な我が儘だったかもしれないが


その結果、渋々ではあったものの


「部屋からの外出はホテル内以外禁止だからね。ホテルから出ると言うなら許可出来ない。」


という具合に私の行動範囲を広げる事で人の気配を感じる機会を与えてくれた


彼と過ごしたい……というのが本音だが私の孤独や寂しさを紛らわせる為に譲歩してくれる彼は優しいと思う


十分に広いとは言え独りきりの部屋で誰とも会話せずに過ごすよりホテル内であれ、人の雑踏を聞き同じ空間に大勢の人がいる環境は精神面を考慮するとずっと健康的だ


ホテル内部にどんな公共施設があるのか私は知っていた

暇過ぎて館内案内を余す事無く読み、室内プールや大浴場、お土産屋さんにレストラン等、行きたいなぁ……なんて思っていたのだ


そして本日


私は彼公認の元で堂々と室内プールへ向かった



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