ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第97章 楽しいソリ遊び
________"
私達は先程とは違い初心者用のコースにやって来ていた
彼は板を着けずに完全に私をサポートする体勢を見せてくれて何だか擽ったい気分に成る
「取り敢えず立つ事からだね、板抑えててあげるから立ってみて。」
「はい!」
彼は私の足元にしゃがむと板をしっかりと抑えてくれた
しかし、自力では其処から立ち上がる事も難しく「肩掴んで」なんて言われておずおずと彼の肩に触れる
見掛けよりずっと厚い肩幅にドキドキと高鳴る鼓動
身体を起こす事でぐっと縮まった距離に印象的な瞳と間近で視線が交わった
普段に無い近距離にクラクラと目眩を覚えながらも
「そのまま腕掴んで」
「はい……」
彼の指示に従っていると軽々と身体を持ち上げられて初の立ち上がりに成功した
「お、おぉ………!」
照れ臭くて可愛らしさの欠片も無い声を漏らしながらもゆっくりと手を離す
「はい、じゃあ最初は横向きに滑らなくて良いからそのまま前進」
彼に言われるがままにしてみるものの何秒と経たない内に直ぐ転んでしまった
やはり立てたからと言って容易く乗りこなす事は出来ず難しい
………………彼は本当に凄い人だ…………
「イルミさん!!」
瞳だけで何?と問う彼に尊敬の眼差しを向ける
「スノーボードって難しいんですね!!イルミさんさっき滑ってたのめっちゃ格好いいです!跳んだりしてたし!凄い!!」
「普通だよ。」
「回ったりしてたじゃないですか!!凄いですよ!!!あれ何って言うんですか!」
「バックフリップ。」
「スノーボード好きなんですか?」
「別に好きでは無い。」
「好きじゃなくてあんなんできるって……才能ですね………」
「……大袈裟だよ、身体能力が一般人とは違うし練習しなくてもある程度は出来るだけ。」