ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第97章 楽しいソリ遊び
…………所謂バカップル………
………………要するにあんな感じで間違い無いのだがあの人達は他のカップルを凌駕して二人の世界を作り出していて
あの人達を見本に例えられると何故か全く関係の無い私の方が恥ずかしく成った
「いや、うーん……?あの、あそこまではちょっと……でもあんな感じ………かな?」
間違ってはいないので曖昧に言葉を紡ぎながらも他にも沢山のカップルを視線に入れて他のカップルを指差してみる
「あんな感じの………」
別に二人の世界にどっぷり嵌まりたい訳じゃない
楽しそうだとは思うが目立つカップルには成りたくないのだが
「だから要はあんな感じでしょ?」
彼は何故か再度ペアルックのカップルを指差した
「……………」
チラリと盗み見た彼の意地悪な眼差しに益々頬が熱く成るのが解った
「……イルミさんっ!!からかわないでくださいっ!」
「からかってないんだけど、失礼だね。」
しれっと言う彼だが私の本心を知り無機質だった瞳が意地悪な色を漂わせたのに気付かない私では無い
「失礼なのはイルミさんでしょ!!」
「其れよりどうするの、スノーボード借り直す?」
すっと細められる瞳にドキリと心臓が跳ねる
少し甘えた事を言っただけでからかわれるだなんて思っても見なかったが
「……か、借り直します………」
尻すぼみに小さな言葉を紡いだ私はきっと赤面しているに違いない顔を伏せながら一歩を踏み出して
スキー板が付いている事をすっかり忘れて盛大に転んだ
「沙夜子は馬鹿だね。」