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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第97章 楽しいソリ遊び






このままでは駄目だ


私は深く息を吸い込んで彼を真っ直ぐに見上げた



「私、滑られへんけど……スノーボード教えてもらいたいです!スキー出来たのは楽しいです!ほんまです!でも、なんか……恋人らしく……遊びたいなぁって思って」



彼と一緒に居られるだけで幸せだと変わらず思う一方で、もっと声を聞きたいとか触れていたいだとか、私はどんどん強欲に成っている

だけど其れだけ私達の関係は成長し、知らぬ内に深く深く変化していてアパートで過ごしていた頃とは違う

その中で欲張りに成ってしまうのは仕方のない事なのでは無いかと思った

駄目なのは其の気持ちを伝えずに黙って隠してしまう事

正直願望を口にするのはかなり恥ずかしく勇気のいる事だったが、要らぬすれ違いをするくらいなら……と腹を括ったのだ


私をじっと見詰めたままの黒目がちな瞳にじわりじわりと身体が体温を上げる


スキーを希望していると思っていた彼に"実は滑る事よりも貴方とイチャイチャ戯れていたいのだ"と胸の内をさらけ出した


スキー場にわざわざやって来てやりたかった事がそんな事だと知れて下らないと思われるかもしれない

馬鹿な事を……と呆れられてしまうかもしれない……


そもそも彼は普段からイチャイチャなんてしてくれないのだ

隣に座っていても触れる事は無いし手を繋ぐのは外出の時だけ
不意に頬を撫でられたりはするけれど滅多に無い事だ

そんな中、私が希望したデートは恋人同士の筈なのに随分とハードルが高い気がする



羞恥に染まる頬が冷たい風に撫でられて熱く成る中

表情を変えずに私を見下ろしていた彼はゆるゆると髪を解かすと


「ふーん………要するにああいう事をしたいって事だよね。」


「?」


真っ直ぐに指を差すので振り返って見れば



『きゃあっもうっ!ちゃんと捕まえててよぉ~』


『本当にリンダはドジだなぁ~ほらっ……ここまで来てごらん!』


ペアルックのウェアを身に纏い二人の世界に浸りまくるカップルが視界に飛び込んだ



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