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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第96章 甘くないゲレンデ







どうやら彼は滑り降りてから私が居ない事に気付いたらしく

戻ってみると未だ動かない私を見て違う楽しみ方をしているのだと解釈していた様だ





………いや…………独特………



私はスキー場に来てわざわざ座り込むなんていう独特過ぎる楽しみ方は決してしない

当然、普通に滑って楽しみたいのだが

彼の中での私の人物像が完全に変な人である事に衝撃を受けてしまい言葉を失った


私をそんな変態だと思っていて付き合ってくれている彼は相当寛容な人なのかもしれない…………





「スキーは出来るの?」


「………………はい」


「じゃあ板をスキー用と変えれば?」


「………………はい」




「………何してるの、行くよ。」


「立てなくて助「板取れば。」


「はい………………」



滑れない彼女に教えてあげるという概念は彼には無くて淡々と放たれた言葉には甘さの欠片も無く


冷たい風が吹き抜けるゲレンデで私は凍えてしまいそうだった



心が。






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