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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第96章 甘くないゲレンデ





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私は渋滞中もドライブを……と言うよりも彼の魅力を堪能し、途中ドライブスルーで購入したドーナツに嬉々として噛り付いた


そして約2時間が経った頃に到着したのは雪山だった



ズラリと車が並んだ広大な駐車場、沢山の人で賑わいを見せる其の場所は所謂ゲレンデという場所で思わず歓声が漏れる


「うわぁ~!スキーですか!?」



私の記憶に過るは数日前

カップルがスキーデートに行く姿に"楽しそう"なんて思わず声に出してしまった

彼が多忙なのは知っているし時間を割いて少ない時間の中でも私と出来る限り過ごそうとしてくれている事は彼が口にせずとも気付いていて

羨ましい、なんて失言をしなかっただけマシだが我が儘に成らない様に口を閉じたのだ

彼はどうやらあの時の私の言葉を覚えてくれていたらしくスキー場へ連れ出してくれた


車を降りればキンと冷たい空気が肌を撫で楽し気な人の気配に自然と胸が弾む

そんな中、彼はトランクから様々な物を取り出した


「まず着替えね。今の服の上にジャージ着てその上からウェアを着る、解った?」

「はい!」


他にも到着したばかりの車の傍ではウェアを着用する人の姿がチラホラ見える

着替えと言っても肌を露出する訳では無いので俄然気にならず言われた通りにジャージを身に付けウェアに袖を通す


私に用意されていたのはブラウンとホワイトのツートーンの上着とブラックのパンツで非常にシンプルかつ可愛い物だった


やはりスキー専用のウェア
生地がしっかりとしていて保温性がまるで違う

コートを羽織っていても肌寒い筈の場所なのに寒さを微塵も感じないのだ


何気無く口元を埋めれば真新しい匂いが鼻を掠めて、彼がわざわざ買い揃えてくれたのだと思えば幸せでニヤニヤしてしまった



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