ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第96章 甘くないゲレンデ
男性にしてはしなやかで武骨さの無い手だが決して小振りでは無く造形は男性そのもの
中性的な顔立ち、衣服越しには線が細く見える身体
立ち上がって初めて気付かされる長身、潔癖な程に凛とした彼は上品かつ優雅な雰囲気を纏い
そんな見目麗しい彼がまさか人を殺める闇の住人で皆が知る有名な暗殺一家の一人だなんて誰も思わないだろう
(…………ほんまに品のある人………)
気だるげにハンドルを握る彼の横顔を眺めながら其の魅力に酔いしれる私の隣で
「警官に針刺して交通整備させようかな。」
彼はまた物騒な台詞を口にする
(………この車……盗難車なんやろうなぁ…………)
彼は見掛けよりもずっとワイルドでアウトローだ
女性は悪い男に惚れ易いなんて言うけれど彼のそんな危ない所にもメロメロな私は物騒な台詞すらもうっとりと聞いてしまうのであった
「車全部爆破した方が早いかな。」
「………そんな格好いい声で言うても駄目ですからね~」
「…………は?」