ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第95章 支配的愛と彼女のヒトコマ
ガシャンッ!!と大きな物音が聞こえて視線を向けた先
彼女の後頭部に壁に飾ってあった大きな絵画が落下した
途端に力を無くして崩れる彼女に駆け寄り床との衝撃を阻止する
「沙夜子……?」
赤く成った膝、盛大に歪んだチェストから彼女が脚をぶつけた衝撃で絵画が落下したのだと把握した
そして後頭部の衝撃に彼女は気絶したのだ
ぐったりと全身の力を無くした彼女に妙に落ち着き無い心音
只プレゼントを贈っただけで何故こんな事に…………
………………死んだ………………?
彼女は自身と違い脆く、絵画の落下で他界する可能性も有り得る…………
焦りから冷静さを手放して行く中
「ん~……っいったぁ…………」
彼女は何事も無かった様に目を覚ますと自身をじっと見上げた後、腕に抱かれている事に気付いて頬を赤く染めた
…………呑気にも程がある
スキップからの転倒、気絶なんて間抜けにも程がある……
俺が心配していたなんて知りもせずに
「……ありがとうございます……あの……イルミさんの腕って頼もしくて素敵ですよね………」
場違いな言葉を漏らした彼女を床へ転がした
「本当に馬鹿じゃないの。」
「す、すみません……それだけ嬉しかったんですよ!!」
彼女は俺だけのもの
………だが…………
俺に容易く管理し切れる程簡単な人間では無く
難易度が高いのが彼女である
「アンクレット~アンクレット~♪………あ!たんこぶ出来てる!………痛い………」
「……知らないよ。」