ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第95章 支配的愛と彼女のヒトコマ
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帰宅と共に彼女は駆け寄って来た
騒がしくパタパタと鳴る室内履きの音が近付き彼女は満面の笑みを浮かべた
「お帰りなさい!」
「ただいま、今日はお土産を買ってきたよ。」
「……凄い量ですね……」
パチパチと音でもたちそうに瞬きしながら荷物を見詰める彼女は驚いた様子で立ち尽くしている
彼女は自身が開けて良いと言う迄彼女自身に宛がった物でも決して開封しようとはしない
「中を確認してみて。」
「はい!ありがとうございます!」
突発的かつ予測不可能な行動を取るくせに律儀で思慮深い面を持つ彼女
自身の言葉に漸く紙袋を開いた
「おぉ!これ気になってた漫画です!!ありがとうございます!」
「うん。」
以前その事について彼女自身はお国柄なのだと話していた
日本人がどういった文化の人種なのか深くは知らないが物事を察し必要以上に踏入らない点は心地好く思う
(………沙夜子の場合突然豹変して暴走するけど)
それはまぁ……置いておこう
彼女は袋の中身を全て確認し終えると感謝や感激を口にした後に
「でもこんなにいっぱいじゃなくても……」
少し眉を下げて笑った
「沢山あった方が飽きないじゃん。」
使い道の無かった蓄え、十分な収入もある
彼女に投資する事について何もいとわない
彼女が自身の手の中で何不自由無く生き行く為になら何だって与えよう
環境、衣服、食事、娯楽
彼女の自由と引き換えの報酬と対価
既に基盤は出来ている
彼女は自らの意思で様々なものを手放し俺が居なければ生きて行けなくなれば良い
そして俺にだけ笑い、話し、隣で眠っていれば良い………