ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第95章 支配的愛と彼女のヒトコマ
12月のある日
彼女は自身の目の前で気絶した
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くじら島を後にしてパドキア中部に拠点を置き数日
栄えても廃れてもいない平均的な街だが彼女を一人外出させるには心許ない立地だ
理由は様々あるが
(ナンパする馬鹿がいたら万が一にも………)
彼女の目に俺以外の男が映る事等許さない
彼女が俺以外の男と言葉を交わす事等許さない
ナンパなんてされた日には相手を消す事は確定として
彼女はやはりホテルに閉じ込めているのが一番だ
身の安全、ゾルディックへの露見を極力避けられる最も効率的方法かつ
彼女は誰とも言葉を交わさず誰とも接触せず只俺の帰りを待っているのだから
彼女の世界の全ては俺で良い
ターゲットを殺した後に一人ショッピングモールに足を運んだ
ゲームにコミック、小説にパズル
彼女の世界を彩る為に買った物
しかし昨夜彼女が漏らした台詞が引っ掛かっていた
『良いですねぇ……恋人とスキーとか絶対楽しい!』
近頃彼女とプライベートでの外出機会が減っている事には気付いていたが彼女は不満の一つも口にせず待っている
休暇迄あと少し
彼女が現状に飽きれば何かしらの突発的な行動を起こす可能性が高い
一人で無断外出は最も仕出かしそうな行動で
其れを阻止する為にも何かのストッパーが必要に成るが何がストッパーに成るだろうか
「……………。」
彼女の首筋に光るダイヤモンドは自身が以前贈ったプレゼントだ
何も知らず彼女が常に肌身離さないあれには意味がある
ネックレスには古い歴史が存在し
"束縛""独占"という思いが込められている
これは手錠から由来しているものでネックレスは首輪も同然なのだ
(……………まぁ俺も仕事以外は付けてるけど)