ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第94章 特別
そして今彼は私が収穫している姿を眺めるばかりでトマトの入った籠を手に佇んでいる
「イルミさん、これ美味しいですよね!ちょっと甘くて私好きなんです!」
「ふーん。」
「ほら!鶏肉の甘辛く炒めたりしてるやつに入ってる」
「………あぁ。」
葉野菜だが小ぢんまりとした大きさの其れは芽キャベツに似た見た目をしている
噛めばほんのり甘くて美味しい野菜
鼻歌混じりに収穫していると
彼は傍に屈み同じ物を収穫し始めた
私の手元を眺めながら見よう見まねで収穫する彼
きっとお姉さんの説明を聞いていなかったのだろう
「採れた。」
「綺麗に採れましたね!」
大きな瞳をクリクリさせる彼
私もだが彼にとって初めての野菜収穫体験だったのではないだろうか
「野菜収穫するとか初めてです!イチゴは一緒に行きましたけどね!」
「そうだね、俺も初めて。」
「初収穫大成功ですね!」
「うん。」
表情が少し和らいだ彼は籠の中の自分で収穫した野菜を眺めていてその可愛らしさに奇声を上げそうに成ったのは秘密である