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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第94章 特別






普段より少し低く掠れた声に確かに眠っていた事が解ったが
胡座をかいて腕を組み、ベッドの上に座ったままの彼が心配に成った


昨日は夕飯を食べていない……いや、外食したのかもしれないが彼ならば店を探すのが面倒だと食べていない可能性もある


"お腹すいた"とは言葉にするものの彼は元々食に対して興味が希薄な印象があった

私と過ごす内に食事の楽しみ方を彼なりに感じられる様に成ったのだろうけど

食事も取らず物音に機敏に反応する程の睡眠の浅さ等疲れが取れる筈がない




「ちゃんとベッド入って寝ないと身体の疲れ取れませんよ……?」


「平気だよ。」


「心配です……」


「変な匂いがするから嫌だ。」


「…………しませんよ。洗剤の匂いですよ?」


「洗剤と混ざって複数人の人の匂いがするんだよ。臭過ぎ。……其れにこれでも休めてるから平気。」


「…………そうですか」


「うん。おやすみ。」


「……おやすみなさい」


布団からは優しい洗剤の匂いしか感じないが彼にはどうも受け付けないらしかった

彼が平気と言うなら平気なのだろう

心配なままではあるがやたらに話し掛けて眠りを妨げては本末転倒なので私は再び瞼を閉じた



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