ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第94章 特別
瞬間的に浮かれた気持ちは表情に出ていたのだろう
彼は今が攻め時とばかりに言葉を紡いだ
「俺は仕事だから抜けるけど沙夜子は楽しみなよ。」
「………で、でも「エプロン着てみて。」
「……え、……はい………」
清潔感溢れる白のエプロンには控え目に薄い花の柄が入っていた
其れを身に着けた私を前に彼は単調な声を漏らす
「思っていた通り沙夜子に良く似合ってるよ。」
「……え……」
「普段から料理上手だけどレパートリーが増えるね。楽しみにしてる。」
「えっ!!」
「あのキッチンの雰囲気に完璧に溶け込んでるよ、流石沙夜子だね。本当にお似合いだ。」
「………?!?!」
「それじゃあ俺は仕事だから、後はよろしく。」
彼は矢継ぎ早に言うと目の前から一瞬にして姿を消し
私はポカンと呆気にとられたまま廊下に転がるエプロンを見ていた
(今のって誉められたの………?似合ってるって何…………あ、でも料理上手って…………料理上手かぁ………!うふふふ)
私は単純だ
本当に扱い易いだろう。