ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第94章 特別
「……イルミさん」
自然と漏れた声は普段より低くチラリと此方に視線を落とした彼は
「仕方ないじゃん、仕事なんだし。料理なんて出来ない、したくもない。」
まあまあ大きな声で堂々と発言するものだから生粋の日本人、調和を重んじる精神が跳ね上がった
「しーっ!!イルミさん、民泊ってこんな感じなんですよ、予約してしまったのにしたくないってラガーさん達びっくりしちゃいます!」
「俺が料理なんてする訳ないじゃん。」
「でも、手料理作ってくれたり一緒にお弁当作ったりするじゃないですか」
「それは沙夜子だからであって他人の為に料理だなんてしたくない。」
……………そうだったのか……………!!
私はかなりの衝撃を受けていた
しかし冷静に考えればそうなのかもしれない
生まれながらにして完璧なセレブ街道を歩んできた彼が他人の為に料理だなんて天地がひっくり返ってもしないだろう
本来ならキッチンに立ち入る事すら無いのかもしれない
其れを私には特別にしてくれていただけ…………
(…………特別………)
私は彼の中で特別な存在………!!