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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第93章 島のお宿と魚釣り






居間に戻り出された特産のお茶を飲み終える頃には私はすっかりこの場所が気に入っていた


笑顔の素敵なお義母さん、笑い皺の良く似合うお義父さん、そして娘夫婦が生活しているのだと教えて貰い

通された部屋は二階の突き当たり


海風の入る窓からは広大な青が覗き心地好く

色褪せたフローリングにシングルベッドが2つ並び静かな部屋は洋風ぼく○なつやすみといった所だろうか

小ぢんまりと可愛いテーブルセットには花瓶に花が活けられていた


窓を開き吹く風は心地好く荷物を広げて鼻歌を歌う私とは対峙する様に眉をしかめて立ち尽くす彼を見上げる



「民泊!素敵ですね!」


「民泊って何なの?民宿と同じじゃないの?」



「民泊はその家族の家に短期間間借りする……みたいな感じですよ!」


「………間借り………最悪。部屋に鍵無いんだけど。」


「まぁ、普通一般家庭の部屋に鍵は付いてないですよ」


「…………何でそんなに楽しそうに出来るのか理解出来ない。」



確かに突然見ず知らずの民家にお邪魔する事に成ったのだから彼は相当驚いているだろう

私自身まさか異世界で初の民泊体験をするとは思っていなかったが民泊と聞いた時点で腹は括っていたし

ホームシックを根元に秘めたままの私にとってまるで親戚を迎える様に振る舞う夫婦、庶民的な空間が予想を越えて心地好かったのだ



「来てしまったから仕方ないですよ!楽しみましょう?」


「………はぁ」


「そもそも何で民泊にしたんですか?」


「……くじら島には民泊しか無かったし、こんな内容だとは知らなくて予約欄流し読みしたから気付かなかった。」


「……なるほど、結果オーライ!」


「………うるさいよ。」




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