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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第92章 強者と弱者






相変わらずの条件付き外出ではあるが私を信頼してくれている彼の手前守れる自信しか無いので私は何度も頷いた


きっとこの国の治安はすこぶる良いのだろう




_________"




14:30



私は彼の言い付け通りボディーガードの男性を二人連れてホテルを出た


慣れないシチュエーションにソワソワと背後を気にしてしまう私だが


流石貴族のマダム……然も当然の様にボディーガードの存在を受け入れるものだから言い訳を沢山用意していた私は肩透かしを食らった


昨夜と変わらずニッコリ笑うマダムは見た目からも良い人オーラが凄くて何だか癒される人物だ



「来てくれたのね、嬉しいわ!」


なんてはしゃぐ姿は和む上に可愛い


「こちらこそです!宜しくお願いします!」


そんなマダムに存分に癒されながらも笑顔を漏らし馬車に揺られる


スラム街迄は馬車で移動するのだそうで車内では主な慈善事業の内容やマダムとご主人の馴れ初め迄、実に様々な会話を弾ませた


近頃の私には彼以外の人と対話する機会が全くに近い程無かった事に気付く

一言、二言話してもしっかりと会話を交わす事は無かった

勿論彼とのお喋りも楽しくて何の不満も無いけれど随分と久しぶりに感じる彼以外とのお喋りは私を大いに笑顔にさせた




揺られ続けて約20分





降り立った場所は昨日馬車で通り掛かったスラム街の真ん中だった

印象的だった木造の建物、屋根の代わりに掛かったシートが風にパタパタと揺れている



「さぁ、到着よ!」


「……は、はい!」



会話を弾ませ笑っていたつい数秒前とは全く違う感情が身を包んで何とも言えない気持ちに成った




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