ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第90章 余韻と事実
私はそこまで考えて冷や汗と羞恥で発狂しそうに成っていた
外の会話が聞こえるという事は逆もまた同じ
更には風に揺れる馬車なのだから昨夜なんて……………………
衝撃的な事実に私は今真っ青なのか真っ赤なのか自分の顔色が解らない
「…………イルミさん………昨日の………あの…………」
「………あぁ、バレてるだろうね。」
「………っ………!!!!!!!」
しれっと言って退けた彼をガン見する
私の声は確実に外へ漏れ馬車は馬鹿みたいに派手にガタガタ揺れていたのだ………お察しされるのも良い所である
昼間観光地に到着した、なんてにっこり笑ってくれたオジサンが内心何を思っていたのか考えると激しく震え出す身体
「皆にバレてるかもしれないじゃないですかッ!!!!!!」
羞恥が沸点に達して大声を上げた私に
「………バレた所で………明日の夕方には到着するし一生関わらないだろうよ。帰りは違う馬車を借りるし。」
彼は淡々と言葉を紡いだ
「………私恥ずかしいです…………もうオジサン達の顔見られへん………」
「別に見なきゃ良いよ。」
「そういう事じゃないんです!!」
………情事を他人に悟られるだなんて………最悪だ………
泣き出したいくらい複雑な気分だ
枕へ顔を埋めて項垂れる
過ぎてしまった事だが
なら仕方ない、と簡単に割り切れない気持ちがモヤモヤと渦巻く
そんな私の様子を静かに見ていた彼は流石に不味かったと思ったのか小さく謝罪をした
「……ごめん、次からはもう少し配慮するよ。」
なんていう少々気になる謝罪ではあったけれど許してしまう私は本当に馬鹿で
「それよりさ、あの馬は肉食で大食いなんだよ。野生なら人も捕食した例がある。」
「………え…………怖い…………」
彼はそんな私を転がすのが上手だと実感した夜だった