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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第90章 余韻と事実




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私達はベッドに入り他愛ない会話を交わしていた




パジャマには彼が普段着にしているロングTシャツを借りた


「これ寝る時に着なよ。」


なんて彼自ら発言した事でやはり彼は一着しか無いパジャマを葬ってしまった事を自覚しており

単調な声色ながらチラリと外された視線から少し気まずいのかな……?という事が解った

そんな彼を前に昨夜の記憶が過って身悶えそうだった私は


「ありがとうございまする!!」


謎の日本語と共に彼のロングTシャツを受け取った



大好きな彼に包まれている様で私は中々に上機嫌である



「イルミさんは一人で寝られへん時何してますか?」


「何もしない。」


「私は読書ですね!眠気を待ちます」


「……読書は蛍光灯の光りで余計に脳が覚醒するから逆効果だよ。」


「そうなんですか!知らんかった」


「何もせず目を閉じてるだけでも身体は休まるしその方が効率が良い。」


「でも寝ようって思ったら余計寝れんくなりません……?」


「そういう時は眠る事を意識しない方が良いよ。強迫観念に成って交感神経が活発になると余計に眠れなくなる。」


「そっかぁ……交感神経とか解らんけどそんな気がします………」



外には大粒の雪が降り時折吹く風に馬車はカタカタと揺れる


そんな中、隣に停車した馬車の扉が開く物音が聞こえた後にくぐもった会話が聞こえてきた


隣は私達の馬車を操るオジサン達が寝泊まりする物に違いなく

会話から馬の餌やり等の世話やケアをするのだという事が解った



「………寒いのに大変ですね」


「仕事だから別に良いんじゃないの。」


「……………」



雪の降る山は標高も高く其れだけでも寒いのに風に吹かれては堪ったものでは無いだろう………

私達が優雅に寛いでいる昼間も外で馬車を操り、ぬくぬくとベッドに入っている今もお仕事だなんて本当に感謝しか無い………………



「ちょっと待って!!!今何時ですか!!」


「0時過ぎ。」


オジサン達の会話から毎晩これくらいの時間に交代で馬の世話をしている事が解った





……………昨夜のこの時間は彼と……………




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