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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第89章 彼の波に溺れる






私は今まで羞恥から甘ったるく漏れる声を懸命に殺して来た

彼に引かれやしないだろうかという思いだけがそうさせていた


しかし今夜は何かが違っていて

羞恥を上回る想いがそうさせたのか漏れだす喘ぎを抑える事が出来なかった




「あっ、んっ……あっ、ああっ……くっ、んっ……あ、あぁん……ひぁあっっ!」



一際強い快感が押し寄せて指先迄包み込み、痙攣した様に意識の外で身体が跳ねる

まるで宙に浮いた様に目の前が真っ白に成り何かを考え思う事すら儘ならない

只強烈な快感の先に浮遊感に見舞われている内にも旋律は止まず生理的な涙が溢れた


「ぅっ……ああぁっ……!!イル……ミさぁっ……ぁあっ!」


彼の身体にすがり付こうにもシーツに固定された手は動かず首を振る私に彼は色香漂う妖艶な笑みを浮かべ


「今夜は随分鳴いてくれるんだね」


僅かに眉をしかめて荒い吐息を混じらせて言葉を紡いだ


その声は鼓膜を揺らし脳を痺れさせて全てを支配して行き、否定の余地無くあられもない声を上げ続ける


強い刺激の後休憩も無くされるがまま受け入れ続ける間も身体を走る快感は止めどなく

ポタリと落ちる彼の汗にすらビクビクと跳ねる身体は既に力が入ら無くなっていた



不意に手を離されぐったりと力無い私の脚を彼が持ち上げる様を霧掛かる意識で確認する



私の両脚を抱える様に持ち上げた彼は再び腰を沈めると激しく打ち付けた

先程とは違う刺激を与えられるままの快感に身を捩る


行き場を無くした手でシーツをぐちゃぐちゃに握り締め彼の名を呼べば


「………はぁっ………んっ……沙夜子……」


乱れた彼の声が耳に流れてキュンと身体が反応する


彼に愛されている


その事実だけで高ぶりは大きな快楽となり何度も何度も強い波に襲われ上り詰め続け




私は彼との甘く激しい夜に溺れた





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