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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第89章 彼の波に溺れる






翌日




私達は虹色に輝く湖を眺めていた



「めっちゃ綺麗!!」


「うん。」



赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と色が入り交じり太陽に反射してキラキラと輝いている

何でも泉固有種のプランクトンが群れを成して動き、日光に反応した結果鮮やかな色を浮かべているのだと馬車を操るオジサンが教えてくれた

私の世界では絶対に見れない景色に異世界の風を感じる



突然開けた広野には白いまん丸の綿を付けた植物が揺れていて湖の七色がより一層映えて本当に美しい

1日走ってまだ山の3分の1地点らしが随分と標高が高く肌寒さを感じてはぁっと手に息を吐く


辺りには私達が乗っている馬車より一回り大きく8頭もの馬が引く観光馬車が数台停車していて観光客の賑やかな声が響いている

昨日の1日でこの森の何を観光するのだと思っていたがこんなに美しい湖が見れるのなら其れだけでも価値があると思う


私の隣に並び立ち眩しそうに瞳を細める彼を見上げれば彼は凛とした瞳に七色を揺らしていた

昨夜は彼に散々遊ばれて泣き散らかしてしまったが
その分彼の笑顔を沢山見た夜だった

クスリと楽しそうに笑う彼に弟達はこんな彼の姿を知っているのだろうかと思った

彼は普段無表情で無機質、まるで作り物の様だがそんな感情の希薄な彼でも笑うのだ

イタズラ好きのお茶目な彼は私を散々からかった後心迄抱き締める様に優しく私をあやしてくれて気が付く頃にはすっかり疲れて眠っていて

彼の本質は良いお兄さんなのでは……なんて思った




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