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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第88章 魔王の森






「イルミさん…………」


「…………起きてるよ」


「違います」



彼女は静かな呟きを落とすと突然ガバリと上体を起こした


「これは魔王じゃありませんか?!?!」


「…………は?」


「怖がる私が坊や!あれは風の音とか説明するイルミさんが父!!」


「俺は父じゃない。」


「ポジショニング父!!!」


「ヤバいですよこのパターンは!魔王の術中にハマってます!私魔王に魂拐われるかも!!!!」



唐突に大興奮し始めた彼女は寝転んでいた事で付いた変な癖毛をそのままに


「だって偶然にしたって似すぎてるっ…………っ…………!!!!」


再び蔦の影に盛大に跳ねた


「何?!?!蔦ですよね?!?!」


馬鹿みたいに泣きそうな顔を向けて必死にしがみつく彼女


自身からしてみれば今の彼女は道端の小石やテーブルの上のマグカップに驚いているのと何ら変わらない


……………ここまで来ると心配も通り過ぎて逆に面白いと思う



涙目で自身を見詰める彼女にわざと眉をひそめて見せれば途端に不安げに揺れる瞳

取り立てて睡魔も無いし

もう少し彼女と遊ぶ事にしよう




「蔦?!ねぇイルミさん!!!」




「…………何だろうね、あれ………。」





「~~~~っ………!!!!!何ー!!!!!!!何何何何っ!!!!」



「え、…………人…………?」




「っ!!!!!うわあ"あ"あ"あ"ぁぁぁ………だから言うたやん…………う"ぅっ………魔王……………」





勿論只の蔦だ







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